人工知能(Artificial Intelligence)は「新しい技術」ではない。80年以上かけて、期待 → 幻滅 → 冬(AI Winter)→ 基盤の蓄積を 2周し、いま3周目の只中にある。本ページは、その全史を年表・系譜図・対比図で一望できるようにまとめたものです。
細部に入る前に、全体の骨格だけ先に押さえる。
時代は「ブーム(春)」「冬」「移行期」の3種類だけ。リストと下の図で、同じ種類には同じ色と記号を使っている。「▶ 時代を再生」で1943年から現在までを動かして見られる。
※横軸は実年に比例(1年=どこでも同じ幅)。波の高さは期待度の模式であり、投資額などの実測値ではない。
春も冬も、動かしたのは同じ3つ ― お金(誰が、どんな条件で出したか)、技術(機械と手法に本当は何ができたか)、期待(何を約束していたか)。各転換点について、引き金になった出来事と構造的な原因を並べる。
新しい道具(プログラム内蔵式コンピュータ)、使い道の縛りが緩いお金、初期の成功が生んだ楽観 ― この3つが同時にそろった。
「おもちゃの問題は解けても、現実の規模では計算が爆発する」と分かった時点で、評価報告書と米国の法改正が資金の蛇口を閉めた。
論者による揺れ:冬の始まりを1973年(ライトヒル報告)とする説と1974年とする説がある。
「汎用の知能」を諦めて「狭い専門知識」に絞ったら、初めて企業の帳簿で黒字になった。そこへ日本の国家計画が各国の対抗投資に火をつけた。
専用ハードの市場が汎用機に負けて崩れ、同時に「知識を人手で書き続けるコスト」が利益を食い尽くしていたことが露呈した。
明確な終戦日はない。「AI」と名乗らない統計的機械学習が、速くなった計算機とWebのデータで地道に成果を積み、気づけば春に戻っていた。
データ・計算・アルゴリズムの3条件が同時にそろい、2012年のAlexNetが「深い学習は勝てる」ことを一発で実証した。
AIという名前が付く前に、脳・情報・計算の3つが1本に束ねられた時期。
「知能とは記号の操作(symbol manipulation)である」という仮説のもと、探索木(search tree)で問題を解こうとした時代。
技術の失敗ではなく、約束と成果のギャップによって起きた資金の引き上げ。
英国科学研究会議の依頼でJ.ライトヒルがAI研究を評価。「組合せ爆発のため、研究室のデモは現実規模にスケールしない」と結論し、英国のAI研究費はほぼ停止した。
自由な基礎研究への包括的支援から、成果の見える軍事応用重視へ。音声理解計画(SUR)の期待未達も重なり、資金が絞られた。
①組合せ爆発=探索空間が指数関数的に増える/②常識の壁=人が書き切れない量の暗黙知(tacit knowledge)/③計算資源=当時のマシンは今のスマホよりはるかに非力。
MYCIN(1970年代半ば、感染症診断の確信度付き推論)、PROLOG(1972)、フレーム理論(frame theory, 1975)。次のブームの部品はすべて冬に作られた。
「汎用の賢さ」を諦め、「特定領域の専門知識」に絞ったら、初めてお金になった。
きっかけはハード市場の崩壊、本質はビジネスモデルの限界。
この時期、研究者は“AI”という言葉を避けた。代わりに機械学習・データマイニング・検索として実装が進む。
「特徴を人が設計する」時代が終わり、「特徴をデータから学ぶ」時代が始まった。
今日のAIのほぼ全てが、この5年で敷かれたレールの上を走っている。
技術的な断絶ではなく、UIと安全チューニング(alignment)によって“誰でも使える”になったことが本質。
知的労働の生産性を底上げし、創薬・材料・医療の探索を加速する。個人が専門家の力を借りられる“能力の民主化”。
ハルシネーション(hallucination)、学習データの著作権と対価、雇用の置き換え、偽情報とディープフェイク、計算資源とエネルギー、少数企業への集中。
キーワードは「答える」から「考える・調べる・手を動かす」へ。日付のある出来事を先に並べ、年間を通じた潮流は下のカードにまとめた。
答える前に考えるモデルが2025年に標準になった。学習時だけでなく「答えるとき」に計算を使うことが、性能を伸ばす新しい軸になった。
数十分〜数時間の自律作業(複数ファイルの編集やテスト実行)が実用域に入り、開発現場の使い方が「補完」から「委任」へ移った。
画面を見てクリック・入力するエージェントが、社内文書・メール・予定表とつながった。権限設計とプロンプトインジェクション(AIへの不正な指示の埋め込み)対策が実務課題に。
世界史の裏で日本が何をしていたか。強かった時期と、乗り遅れた時期がはっきり分かれる。
| 年 | 出来事 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 1970 | 早稲田大学がWABOT(人間型ロボット)プロジェクトを開始(二足歩行の研究は1967年のWL-1から。WABOT-1完成は1973年) | 知能ロボット分野で世界最先端の一角 |
| 1982 | 第五世代コンピュータ計画が開始(ICOT。〜1992年、約540億円) | 論理型並列処理に賭けた国家PJ。技術資産は残ったが、市場は汎用機+統計手法へ流れた |
| 1987 | 仙台市地下鉄がファジィ制御で開業。1990年前後にファジィ家電が続く | 「賢い制御」として世界に輸出。AI冬の時期の実務的成功例 |
| 1990s | ニューラルネット搭載家電、日本語ワープロのかな漢字変換 | AIと呼ばれずに生活へ浸透した層 |
| 2012 | 深層学習ベンチャーが登場 ― ABEJA(2012)、Preferred Networks(2014)。東大松尾研の発信 | 第3次ブームの受け皿づくり |
| 2016 | 官民データ活用推進基本法 | データ活用の法的な土台 |
| 2018 | 著作権法30条の4の改正(2019年1月施行):情報解析のための利用を柔軟に許容 | 機械学習に比較的寛容な法制として国際的に注目された |
| 2019 | AI戦略2019(AI人材を年25万人育成する目標) | 政策としての本格始動 |
| 2023 | 生成AIの急速な普及、G7広島AIプロセスの議長国 | 利用は速いが基盤モデル開発では出遅れ、という構図が明確に |
| 2024 | AI事業者ガイドライン(総務省・経産省、4月)公表、国産LLMの相次ぐ公開 | ソフトロー中心の枠組みを提示 |
| 2025 | 「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律」(AI推進法)成立(5月28日) | 罰則型規制ではなく、推進と司令塔整備が主眼 |
年表を横に切ると、AI史は2本の川に分けられる。
| 基盤アイデア | 初出 | 現在どこで生きているか |
|---|---|---|
| 誤差逆伝播 / Backpropagation | 1986(原型1970年代) | すべての深層学習モデルの学習 |
| 強化学習・TD学習 | 1988/1992 | AlphaGo、RLHF、推論モデルの学習 |
| 畳み込み / CNN | 1989/1998 | 画像認識、医療画像、拡散モデルの内部 |
| 注意機構 / Attention | 2014→2017 | ほぼ全ての現代モデル |
| 拡散モデル / Diffusion | 2015→2020 | 画像・動画・音声生成 |
| 事前学習+微調整 | 2018 | 基盤モデルという産業構造そのもの |
| 推論時スケーリング | 2024 | 推論モデル、エージェントの長考 |
過去2回と決定的に違う点を、4つの観測可能な事実で押さえる。
過去のブームは研究費と国家予算が原資だった。現在は課金・広告・クラウド利用料という民間の実売上が回っている。資金源が政策判断ひとつで消えない。
GPU/専用チップとクラウドにより、1980年代とは比較にならない規模の学習が可能。ハードの制約で止まった前2回との最大の差。
Web・スマホ・業務SaaSが学習素材を生み続ける。知識を人手で書いた第2次ブームのボトルネックが構造的に解けた。
同じ基盤モデルを微調整して多用途に使える。用途ごとにゼロから作った過去と違い、投資が積み上がる。
技術史と並走するもう一本の年表。近年はこちらの方が実務インパクトが大きい。
| 年 | 出来事 | 意味 |
|---|---|---|
| 1942 | アシモフ「ロボット工学三原則」(小説内) | フィクション由来だが、安全原則の議論の出発点として今も参照される |
| 1976 | ワイゼンバウム『コンピュータ・パワーと人間の理性』 | ELIZA開発者自身による、AIに委ねてはいけない領域の指摘 |
| 2016 | EU GDPR採択(2018施行)/自動化された意思決定への規律 | データとプロファイリングの規制が先行 |
| 2017 | アシロマAI原則 | 研究者コミュニティによる自主原則 |
| 2019 | OECD AI原則/日本「人間中心のAI社会原則」 | 各国共通の価値基準づくり |
| 2021 | UNESCO AI倫理勧告/EUがAI法案を提示 | ソフトローからハードローへ |
| 2023.05 | G7広島AIプロセスが始動 | 日本が議長国となり、生成AIの国際ルール作りが始まる |
| 2023.11 | ブレッチリー宣言(英AI安全サミット) | 最先端AIのリスクで各国が協力に合意 |
| 2023.12 | EU AI Act 政治合意 | 生成AI登場から1年での急速な制度化 |
| 2023.12 | ニューヨーク・タイムズがOpenAIとMicrosoftを提訴。学習データを巡る訴訟(報道・画像・音楽)が本格化 | 「合法に学習できる範囲」が判例で形成される段階へ |
| 2024.08 | EU AI Act 発効(リスクベース規制・段階適用) | 世界初の包括的AI法。域外適用があり日本企業にも影響 |
| 2025.05 | 日本 AI推進法が成立/各国の表示義務・透明性ルール整備 | 推進型(日本)と規制型(EU)の対比が鮮明に |
名前と「何をした人か」を1行で結びつけておくと、年表が立体になる。カードにマウスを乗せる(スマホはタップ、キーボードはTab)と詳しい経歴が開く。
2026年、現代AIを作ってきた人々がGoogleを相次いで去った。流出は2つの波で起き、AI人材の重心が動いていることを示している。
2017年のTransformer論文の著者8人は全員Googleを去っている。いまのAI企業の多くは、Googleで育った人が創業した。【二次】は二次情報のみで確認したもの。
| 人物 | Google時代 | 退社 | その後(2026年時点) |
|---|---|---|---|
| アシシュ・バスワニ / Ashish Vaswani | Transformer筆頭著者 | 2021年頃 | Adept、Essential AIを共同創業【二次】 |
| ニキ・パルマー / Niki Parmar | Transformer共著者 | 2021年頃 | Adept、Essential AIを経てAnthropic【二次】 |
| ヤコブ・ウスコライト / Jakob Uszkoreit | Transformer共著者 | 2021 | Inceptive共同創業・CEO(AIでRNA医薬を設計)【二次】 |
| リオン・ジョーンズ / Llion Jones | Transformer共著者(Google日本法人) | 2023 | 東京のSakana AIを共同創業・CTO |
| エイダン・ゴメス / Aidan Gomez | Transformer共著者(当時インターン) | 2019 | 企業向けLLMのCohereを共同創業・CEO |
| ウカシュ・カイザー / Łukasz Kaiser | Transformer共著者 | 2021 | OpenAI(言語モデル・推論の研究)【二次】 |
| イリヤ・ポロスキン / Illia Polosukhin | Transformer共著者 | 2017 | ブロックチェーンのNEAR Protocolを共同創業【二次】 |
| ノーム・シェイザー / Noam Shazeer | Transformer共著者 | 2021 / 2026 | Character.AI → 2024年Google復帰 → 2026年OpenAI(上のカード参照) |
| ムスタファ・スレイマン / Mustafa Suleyman | DeepMind共同創業者 | 2022 | Inflection AIを創業、2024年3月からMicrosoft AIのCEO |
| ジェフリー・ヒントン / Geoffrey Hinton | 研究者(DNNresearch買収で入社) | 2023.05 | AIリスクを自由に語るため退社。トロント大学名誉教授 |
| アルテュール・マンシュ / Arthur Mensch | DeepMindパリ(Chinchilla論文の共著者) | 2023 | 仏Mistral AIを共同創業・CEO |
| デイビッド・ハ / David Ha | Google Brain東京を立ち上げ | 2022 | Sakana AI(東京)を共同創業・CEO |
歴史を読むときに意味がぶれやすい語と、このページで使った略語の一覧。
| 略語 | 正式名称 | ひとことで |
|---|---|---|
| ALPAC | Automatic Language Processing Advisory Committee | 米国の自動言語処理諮問委員会。1966年の報告で機械翻訳の資金が止まった |
| API | Application Programming Interface | ソフト同士が機能を呼び出し合うための窓口 |
| ARPA | Advanced Research Projects Agency | 1958年設立の米国防総省の研究機関。1972年にDARPAへ改称 |
| AutoML | Automated Machine Learning | モデルの設計や調整そのものを機械に探索させる技術 |
| BERT | Bidirectional Encoder Representations from Transformers | Googleが2018年に発表した、文の前後両方向から意味を読むTransformerモデル |
| CASP | Critical Assessment of protein Structure Prediction | タンパク質構造予測の隔年コンテスト。AlphaFoldが首位を取った |
| CLIP | Contrastive Language–Image Pre-training | 画像と文章を同じ空間で対応づけるOpenAIのモデル(2021) |
| CNN | Convolutional Neural Network | 小さなフィルタで画像を走査するニューラルネット。画像認識の基本形 |
| CUDA | Compute Unified Device Architecture | GPUを汎用計算に使うためのNVIDIAの仕組み(2007) |
| DALL·E | (略語ではない製品名) | OpenAIの、文章から画像を生成するモデル(2021年〜)。名前は画家ダリとピクサーの『WALL·E』から |
| DARPA | Defense Advanced Research Projects Agency | 米国防高等研究計画局(1972年まではARPA)。AI研究の大口の出資者 |
| ESPRIT | European Strategic Programme for Research in Information Technology | 1983〜84年に始まった欧州の情報技術研究計画 |
| GAN | Generative Adversarial Network | 生成役と判定役の2つのネットを競わせて本物らしい画像を作る方式(2014) |
| GDPR | General Data Protection Regulation | EUの個人データ保護規則(2016採択・2018施行) |
| GPS | General Problem Solver | ニューウェルとサイモンの汎用問題解決プログラム(1957〜59) |
| GPT | Generative Pre-trained Transformer | 大量の文章で事前学習し、続きの文章を生成するOpenAIのTransformer(2018年〜) |
| GPU | Graphics Processing Unit | 画像処理用の半導体。大量の並列計算がニューラルネットに向く |
| HAI | Stanford Institute for Human-Centered Artificial Intelligence | スタンフォード大学の「人間中心のAI研究所」(2019年設立) |
| ICOT | 新世代コンピュータ技術開発機構 | 日本の第五世代コンピュータ計画を推進した機関 |
| IDSIA | Istituto Dalle Molle di Studi sull’Intelligenza Artificiale | スイス・ルガーノのAI研究所 |
| ILSVRC | ImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge | ImageNetを使う画像認識の年次コンテスト。2012年にAlexNetが優勝 |
| IPTO | Information Processing Techniques Office | ARPAの情報処理技術室(1962年設立)。初代室長はJ.C.R.リックライダー |
| KAUST | King Abdullah University of Science and Technology | サウジアラビアの科学技術大学 |
| LLM | Large Language Model | 大量の文章で学習した大規模言語モデル(GPT・Claude・Gemini等) |
| LSTM | Long Short-Term Memory | 長い系列でも情報を保てる回帰型ネット(1997) |
| MCC | Microelectronics and Computer Technology Corporation | 第五世代計画に対抗して米国企業が共同で設立した研究組織(1982〜83年) |
| MCP | Model Context Protocol | AIモデルを外部のツールやデータにつなぐ公開規格(2024) |
| OECD | Organisation for Economic Co-operation and Development | 経済協力開発機構。2019年にAI原則を採択 |
| PBC | Public Benefit Corporation | 利益に加えて公益の追求を定款で義務づける米国の会社形態 |
| PDP | Parallel Distributed Processing | 逆伝播とコネクショニズムを広めた1986年の2巻本 |
| QA | Question Answering | 自然な言葉で聞かれた質問に答えること |
| RLHF | Reinforcement Learning from Human Feedback | 人の評価で出力を「役に立ち、無害で、正直」な方向へ寄せる工程。ChatGPTの使いやすさの正体 |
| RNN | Recurrent Neural Network | 系列を1つずつ処理し、記憶を次へ引き継ぐニューラルネット |
| SaaS | Software as a Service | ネット経由で月額などで使うソフトウェア |
| SSI | Safe Superintelligence Inc. | イリヤ・サツケバーらが2024年に設立したAI企業 |
| SVM | Support Vector Machine | 理論的な裏付けの強い統計的分類器。2000年代の主役(1995) |
| TD学習 | Temporal-Difference learning | 次の時点の予測との差から予測を更新する強化学習の手法(1988) |
| UCL | University College London | ロンドン大学を構成するカレッジの一つ |
| VAE | Variational Autoencoder | データを滑らかな潜在空間に圧縮し、そこから新しいデータを生成するモデル(2013〜14) |
| ViT | Vision Transformer | 画像を小片に分けてTransformerで処理する方式(2020) |
検索・引用用の一覧。日付順に厳密に並べている(期間は開始時点に置く)。★は歴史の分岐点。
| 年 | 出来事 | 区分 |
|---|---|---|
| 1943 | ★ 形式ニューロン(McCulloch & Pitts) | 理論 |
| 1948 | サイバネティクス/情報理論 | 理論 |
| 1949 | ヘブ則 | 理論 |
| 1950 | ★ チューリングテスト | 理論 |
| 1951 | SNARC(NN学習機) | 実装 |
| 1952 | サミュエルのチェッカー | 実装 |
| 1955 | ダートマス夏期研究の提案書(「artificial intelligence」の初出) | 制度 |
| 1956 | ★ ダートマス会議/Logic Theorist | 制度・実装 |
| 1957 | パーセプトロン(初報告)/GPSの開発開始 | 実装 |
| 1958 | LISP/ARPA設立 | 基盤 |
| 1959 | “machine learning”の語(サミュエル) | 理論 |
| 1965 | DENDRAL | 実装 |
| 1966 | ELIZAの論文発表/ALPAC報告(機械翻訳の資金停止) | 実装・制度 |
| 1969 | ★『Perceptrons』/マンスフィールド修正条項/フレーム問題の提起 | 理論・制度 |
| 1970 | SHRDLU | 実装 |
| 1972 | PROLOG/MYCIN開発開始 | 基盤 |
| 1973 | ★ ライトヒル報告 → 第1次冬 | 制度 |
| 1975 | フレーム理論(Minsky) | 理論 |
| 1980 | ★ XCON本番稼働/エキスパートシステム産業化 | 産業 |
| 1982 | ★ 第五世代コンピュータ計画開始(〜1992)/ホップフィールド網 | 制度・理論 |
| 1983 | 対抗計画:DARPA戦略コンピューティング、英Alvey | 制度 |
| 1986 | ★ 誤差逆伝播法の普及(PDP) | 理論 |
| 1987 | ★ LISPマシン市場崩壊 → 第2次冬 | 産業 |
| 1988 | TD学習(サットン) | 理論 |
| 1989 | LeNet(CNNの実用化) | 実装 |
| 1992 | TD-Gammon/第五世代計画が終了 | 実装・制度 |
| 1995 | SVM | 理論 |
| 1997 | ★ Deep Blue勝利/LSTM | 実装 |
| 1998 | PageRank/Google創業 | 産業 |
| 2006 | ディープビリーフネット(deep learning再起動) | 理論 |
| 2007 | CUDA公開 | 基盤 |
| 2009 | ★ ImageNet公開 | 基盤 |
| 2011 | Watson優勝/Siri/Google Brain設立 | 産業 |
| 2012 | ★ AlexNet圧勝/Googleの猫 | 実装 |
| 2013 | word2vec | 実装 |
| 2014 | GAN/Seq2Seq/Attention/DeepMind買収 | 実装 |
| 2015 | ResNet/TensorFlow/OpenAI設立 | 基盤 |
| 2016 | ★ AlphaGo勝利/GDPR採択 | 実装・制度 |
| 2017 | ★ Transformer/AlphaGo Zero/アシロマ原則 | 理論 |
| 2018 | BERT/GPT-1/AlphaFold/チューリング賞3氏 | 実装 |
| 2019 | GPT-2/MS-OpenAI提携/OECD AI原則 | 産業・制度 |
| 2020 | ★ GPT-3/スケーリング則/AlphaFold2 | 実装 |
| 2021 | DALL·E/CLIP/Copilot/EU AI法案 | 産業・制度 |
| 2022.03 | Chinchilla則 | 理論 |
| 2022.08 | Stable Diffusion公開(重み公開) | 産業 |
| 2022.11 | ★ ChatGPT公開 | 産業 |
| 2023.03 | ★ GPT-4/Claude/各社一斉参入 | 産業 |
| 2023.05–12 | 広島AIプロセス/ブレッチリー宣言/EU AI Act政治合意 | 制度 |
| 2024.02–08 | Sora発表/GPT-4o/EU AI Act発効 | 産業・制度 |
| 2024.09 | ★ 推論モデル(考える時間のスケーリング) | 理論 |
| 2024.10 | AI研究にノーベル物理学賞・化学賞 | 制度 |
| 2024.11 | MCP公開(ツール接続の標準化) | 基盤 |
| 2025.01 | DeepSeek-R1 | 産業 |
| 2025.02 | EU AI Actの禁止規定が適用開始 | 制度 |
| 2025.05 | 日本のAI推進法が成立 | 制度 |
| 2026.01 | デイビッド・シルバーがDeepMindを離れ、Ineffable Intelligenceを設立 | 産業 |
| 2026.06 | ★ Google DeepMindから主要人材流出の第1波(ジャンパー、シェイザー) | 産業 |
| 2026.08 | ジェフ・ディーンらがDiscovery Loop設立/ハサビスがCEO退任 | 産業 |
80年分を圧縮すると、繰り返し効いている法則はこの5つ。
2度の冬はどちらも、性能低下ではなく「約束したことができなかった」ことで起きた。誇大な物語は最大のリスク要因。
逆伝播・CNN・LSTM・強化学習は全て不遇期の産物。ブームが終わっても研究を続けた者が次を取った。
アルゴリズム→計算資源→データ→再び計算資源→そして今は信頼性・電力・制度。どこが詰まっているかを見れば次の投資先が読める。
GPSは売れずXCONは売れた。今も、汎用モデルより特定業務に食い込んだ実装のほうが早く成果を出す。
ChatGPTの普及要因はモデルの新規性ではなくUIと安全調整。エージェント時代も、業務データと権限への接続設計が勝敗を分ける。
新しいAIニュースを見たら「これは第何次ブームのどのパターンの再演か」「どのボトルネックを解いたのか」の2問に当てはめる。ほとんどの話題はこれで整理できる。